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自衛官の『人権』は安倍政権・愛国者によって奪われるのか?

      2015/07/20

「集団的自衛権は抑止力になるから自衛隊はアメリカの戦争に手を貸して”当然”」、「愛国心が無い自衛官は必要ない」などと思っていないだろうか?もしそうなら自衛官の人権を侵害していると言っても過言ではない。

「世界的に集団的自衛権が認められているのに何故人権侵害?」と思うかもしれないが、日本と海外では集団的自衛権のあり方が全く異なる。日本は他国と異なり自発的に戦闘をしないという前提がある。自衛官は自衛する事が職務であり、アメリカの戦争に手を貸す為に入隊したわけではないのだ。

つまり、集団的自衛権でやろうとしていることは、自衛隊の本来の職務から大きくかけ離れているわけだ。だから、いくら自衛隊に戦う能力があるとしてもそれを強制するのは間違いなのである。

つまり、集団的自衛権を行使するための人員は日本にはいないということ。本来なら賛成派が志願するなり分け隔てなく徴兵するというのが最も正しい選択だと思う。

しかし現実的にはそれは出来ないだろう。どうしても自衛官が真っ先に危険に晒される事になる。そこで自衛官には選択肢を与えるべきだと私は考える。以下の3通りだ。

  1. 海外派兵される人
  2. 国内で従来の任務を行う人
  3. 除隊する人

ここであえて「除隊する人」と書いたが、当然の選択肢のように思うかもしれないが、自衛隊法では除隊が認められないケースがある。

40条 第31条第1項の規定により隊員の退職について権限を有する者は、隊員が退職することを申し出た場合において、これを承認することが自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるときは、その退職について政令で定める特別の事由がある場合を除いては、任用期間を定めて任用されている陸士長等、海士長等又は空士長等にあつてはその任用期間内において必要な期間、その他の隊員にあつては自衛隊の任務を遂行するため最少限度必要とされる期間その退職を承認しないことができる。

自衛隊法40条によると、「著しい支障を及ぼす場合は承認しない」と書かれている。

これは集団的自衛権が行使されるような場合にも当然あてはまるだろう。集団的自衛権が抑止力に繋がると考えている人にとって「除隊」することは国家に危機をもたらすと考える人も多いはずだ。つまり自衛官の意思と関係なくアメリカの為に命を掛けなければならないのだ。これは実質的に強制であり基本的人権を侵害する行為だ。

「愛国心」で自衛官になる人ばかりではない

多くの国民は「理想」と「現実」の間に生きている。

「理想」とは、例えば政治家なら「国を変えたい」、教員なら「教育を変えたい」、デザイナーなら「世界有数のデザイナーになりたい」というような輝かしい目標・信念のことだ。「現実」的にはもっとドライな理由でその職に就く人がほとんどなのである。例えば、「給料が高い」、「安定している」、「親がそうだったから」といったものだ。

もちろん自衛官にも当てはまる。「安定している」、「身体を動かすのが好き」、「ミリタリー好き」、「音楽隊に憧れた」、「たまたま向いてそうだった」という人も多いのだ。「国家を守る為なら命も惜しくない」という思想を自衛官に求めるのは国民の身勝手でしかない。

一つ誤解しないで欲しいのが、「理想」と「現実」の違いで人の優劣は決まらないということだ。どんなに強い信念があったとしても、結果が伴わないことや不祥事を起こすことだってある。逆に現実的で「仕事だから」と割り切れる人に限って大きな成果を挙げ、信頼されることが多かったりするのだ。

集団的自衛権の正体

集団的自衛権は万能ではない。抑止力になる場合もあれば、逆に危険性だけが高まる可能性もある。アメリカと同盟強化すれば武力は強化される。その一方で、アメリカの敵は日本の敵になってしまうのだ(日本の意思に関係無く)。世界中に敵がいるアメリカと手を組む事はそれだけリスクもあるのだ。

もし、集団的自衛権がプラスに働いたとしよう。しかしそれでも喜べるものではない。

集団的自衛権による抑止力で国民の命は守られるかも知れないが、代わりに自衛官の命はこれまで以上に危険に晒されることになる。抑止力を得るためにはアメリカの為に命を掛けなければならないからだ。

数値で表すなら、これまでの危険度が、

国民:50%、自衛官:50%

だったものが、

国民:20%、自衛官:80%

になる。

この数値の変化は自衛官が国民の危険を肩代わりした結果だ。これが集団的自衛権の正体なのである。

再度言うがアメリカの為に戦うことは自衛官の職務ではないのだ。なのになぜ自衛官ばかりが危険を被らなければならないのだろう。

おわりに

自衛官も我々と同じく国民の一人だ。だから彼らの考えを尊重しなければならない、自衛官だからと言って、「愛国心を持つべき」だとか、「アメリカに協力するのは当然」と強制するのは自衛官の人権を侵害する行為だ。

集団的自衛権の不要必要を議論する事はあっても、自衛官の人権にまで話題が及ぶ事は稀だ。安倍首相も全くこの事には触れず、自衛官が海外派兵されるのは当然かのように政策を進めていることに危機感を感じる。自衛官の命を軽く考えていると疑わざるを得ない。

自衛官の方々は国を守る立場上、反対する事ができない。たとえそれがどんなに理不尽であってもだ。だから国民は声を上げなければならないのだ。

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