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五輪エンブレム使用中止で幕引きへ。盗作問題でデザイナー佐野研二郎氏が在日認定&誹謗中傷された件を真相究明

      2016/04/27

たとえプレゼン資料に盗用が発覚ししても、エンブレムは盗用では無い


2015/09/3
【お礼】
非常に多くの方からシェアして頂いて驚いています。ありがとうございます。
1か月以上前に公開してから何度も加筆している為、読み難いかも知れないことをご了承ください。
一個人の考察ですから絶対はありません。今回の騒動の理解を深める為の一意見として役立てて頂ければ嬉しいです。

2015/09/1
五輪エンブレム使用中止の方針が決まりました。その件について記事の最後に加筆しています。


先日、膨らむ建設費が問題で白紙になった東京五輪2020の競技会場問題。それに続いて追い討ちをかける事態が発生しました。

それは東京五輪2020のロゴ(エンブレム)の盗作疑惑です。制作者は著名なデザイナーでもある佐野研二郎氏。ロゴはいわば『顔』ですから、もしそれがパクリであれば致命的な問題になると思いませんか?

その問題のロゴを見てみましょう。

左が東京五輪2020のロゴで、右がパクられたと主張するベルギー・リエージュ劇場のロゴ。とても似ていますよね。というかほぼ同じです。形状的にそっくりなのは言い逃れの出来ない事実です。

しかし、私はパクリだとは思いません。
五輪エンブレム紹介動画と合わせてみると尚更そう感じますね。

佐野氏は『T』の右にある日の丸は「心臓をイメージした」と会見で話しましたが、一部の人は「そんなのは後付に決まってる」と言います。ところが、この動画では日の丸が鼓動している演出があるように佐野氏は真実を述べていることが分かりますよね。

追記:エンブレム取り下げにより動画も削除されてしまったようです。おそらくニコ動などにはアップロードされていると思うので興味があれば探してみてください。

追記:佐野氏を著作権違反で裁判に訴えるドビ氏のリエージュ劇場ロゴにも盗用疑惑が発覚!?

これ、リエージュ劇場ロゴに似てると思いませんか?

コメント投稿者様に情報提供して頂いたこちらのロゴはtrendlandというオンラインマガジンのロゴです。『T』と『L』を合成し黒い円に配置するアイデアはリエージュ劇場のロゴと全く同じで見た目も似ていますね。『L』の斜体にせず、フォントも同じもの使えばますますリエージュ劇場のロゴに似ることでしょう。

構成される要素やアイデアを考慮すれば五輪ロゴよりもこちらのロゴの方がリエージュ劇場ロゴ似ていると感じざるを得ません。

そして、問題はどちらが先に公開されたかという話になるわけですが、実はtrendlandの方が先です。

以下の画像を見ていただくと分かりますが、trendlandのロゴは2011年にはグーグルに掲載されています。一方で、リエージュ劇場のロゴは2013年に公開されたのでそれ以前はグーグル上で見つけることは出来ません。

しかし、trendlandのロゴのデザイナーはわざわざ裁判沙汰にはしないでしょう。なぜなら、文字と基本図形で構成すればある程度の一致性は生まれてしまう事を知っているからです。

つまり、こういうシンプルなデザインで裁判沙汰にすれば、ドビ氏自身の首を絞めることにも繋がりかねないということなんです。

形状がシンプルなほど偶然の一致は避けられない問題

世の中には無数にロゴがあるわけですよね?何万、何十万、何百万というとてつもない数が存在するわけです。しかも、シンプルな図形を組み合わせただけのロゴも無数にあるわけです(日本の国旗もそうですよね)。シンプルな図形の組み合わせのロゴが被ってしまうのは避けられない問題なんですよね。

知らない人はいないであろう天下のマイクロソフトの現在のロゴだって正方形を並べただけの単純なものです。偶然一致する可能性は無限大にあるのはお分かりかと思います。


マイクロソフトのロゴにそっくりな米袋(画像はhttp://www.japandesign.ne.jp/より)

ほかにも、ざっと調べただけでもこれだけ似てるロゴがあるんですよね。パクるパクらないじゃなくて似てしまうんですよね。さらに興味深いのが見た目が違っていてもモチーフはそれぞれ異なるということなんです。サッカーボール(SFIDA)、原子結合(ATOM)、ハチの巣(Bee行政書士事務所)と様々です。

似てるどころか全く同じになってしまう場合もあります。インドネシア、モナコ、ポーランドの国旗が良い例です。

というように、パクリではなく偶然の一致と見るのが自然だと私は思います。そもそもロゴデザインを手がけた佐野研二郎氏はwikipediaにページが作られるほどの有名クリエイター。代表作に宇多田ヒカルの『Flavor Of Life』のジャケットデザイン、ソニーの『PSP』の広告などを手がけている超売れっ子。地位も名誉も捨てて安易なパクリをする理由がありません。

人生をかけた大仕事をパクリで済ませるだろうか?

例えば、あなたが東京大学に入ろうと思って青春時代を勉学に費やし、実力で東大に入れるようになったのにわざわざ替え玉試験を受けるようなものなんですよね。

五輪ロゴデザインは佐野氏が長年かけて実力で勝ち取った仕事なんです。言ってしまえば人生をかけた大仕事です。それをパクリで済ませるわけがありませんよね?少し考えれば誰でも分かることです。

デザイナーなら、一生に一度あるかないかの大きな仕事が舞い込んできたら実力で勝負したいと思うのが当然なんですよね。その仕事の為に何年も頑張ってきたわけですから。ましてや今後の人生が大きく左右するような仕事です。パクリで済ませて人生を棒に振るようなことはしませんよね。

盗作ではない根拠:プロセスが決定的に違う

佐野氏が先日海外出張から帰国して記者会見を開きました。この会見でパクリではないことが論理的に説明されました。

まず、ベルギーのロゴは『THEATRE DE LIEGE』の頭文字である『T』と『L』を合成して作られたものなんですよね。これは一目で分かる内容です。

一方で、東京五輪のロゴはTOKYO、TEAM、TOMORROWの頭文字である『T』と『円』がモチーフになっています。勿論、この『円』は日本の象徴である日の丸を意味します(この円は1964年の東京五輪エンブレムの日の丸を継承している)。下のロゴにガイドを引いたものをご覧になると分かりますが、正方形を『円』でくり抜いて『T』を作り出しているのが分かります。そして、『T』の右肩はアクセントとして日の丸が配置されています。

また、黒い縦線が「暗い」と不評のようですが、これにもちゃんとした意味があって、あらゆる色を混ぜると黒になることから『多様性』を表しているんですよね。それに黒は『力強さ』を表す色でもあります。あらゆる人種が競い合うスポーツの祭典として相応しいカラーだと思います。

「じゃあ、Tの右下のは何?全然関係無いでしょ?」という声が多かったので説明します。この右下のパーツは『円』を強調させるのに必要なんです。これが無ければベースが『円』であることを認識できる人はほとんどいないでしょう。

これは少なくともデザインを生業としている人であれば十分納得のいく説明です。

また、『プログラミング』にも同じことが言えるでしょう。最近は学校の授業でプログラミングをする人も多いと聞きますが、課題として皆で同じものを作ることがあると思います。完成品は全く同じでも、コードは全員異なります。30人いれば30人のプロセスが違うんです。

さらに例えるなら、『会話』にも同じことが言えるでしょう。結論は一緒でも、そこに至るまでの話の運び方(プロセス)は一人ひとり異なりますよね。

プログラムは盗作を疑われてもソースコードを見せて「ほら、パクリじゃないでしょ?」と証明することが出来ますが、デザインはそういった証明が出来ないので不遇だと思います・・・。

ちなみにこのロゴ、「パッと見ダサい」と感じる人も多いかも知れませんが、プロセスや込められた意味をきちんと理解すると、必要な要素が無駄なく簡潔に盛り込まれた素晴らしいデザインだと思うんですよね。これだけ多くの意味合いをここまでシンプルに落とし込むことが出来るのは実力があってこそなんですよね。

さらにスゴいのが拡張性。このロゴは9つのグリッドに分割してパーツ分けすることで別の文字も作り出すことが出来る画期的なシステムなんですよね。『T』以外の文字を作成することも、冒頭で紹介した動画のような幾何学的な表現をすることも可能になるわけです。

ちなみにベルギーのロゴは9グリッドの概念はありません。以下の設計図(ベルギー・リエージュ劇場のデザイナー ドビ氏によるもの)を見れば明白ですよね。デザインのコンセプトやプロセスの違いがハッキリ分かります。

AからZのフォントは会見用に急いで作ったもの?

「AからZの文字は会見の為に急いで作ったに決まってる!」という人もいますが、そうでない根拠は説明できます。

「エンブレム紹介ムービー」にはTを9分割したパーツがアニメーションする模様が確認できます。あくまでエンブレムの紹介ムービーですから、この動画の為にわざわざ9分割の概念を取り入れたとは考え難いわけです。ハッキリ言って可能性はゼロだと断言できます。

「では何の為の9分割か?」と考えると「AからZの文字を作る為」という答えに辿りつくわけです。

追記:エンブレム取り下げで動画も削除されてしまったようですが、以下の動画画面スクリーンショットを見れば9分割の既に概念があることが分かるかと思います。

パラリンピックのロゴの成り立ちを知れば盗用でない事は明白

更に注目して欲しいのがパラリンピックのロゴです。これ単体で見れば特別なんの驚きも感じませんが、実は五輪ロゴの黒い部分と白い部分を反転するだけでパラリンピックのロゴになるんですよね。個人的にこのアイデアは衝撃的でした。

五輪ロゴが3つの『T』をコンセプトとしているのに対し、パラリンピックロゴは平等性を表す『=』がコンセプトとなっています。しかも、『=』という記号だけではなく配色だけ変えて『形状は変えない』という意味でも『平等』を表しているんですよね。白と黒を反転させるだけで『T』と『=』2つの意味を持たせることが出来る画期的なアイデアは盗用では絶対出来ません(リエージュ劇場ロゴを反転させても『=』にはなりません)。

もし、リエージュ劇場ロゴの盗用ならこの画期的なアイデアは生まれなかったでしょう。リエージュ劇場のロゴを見て、「これ、反転させたら『=』に見えるじゃない?」とはなりませんからね。つまり、ゼロからデザインし、佐野氏のこれまでの培ってきた知識を搾り出したからこそ生まれたデザインであるといえます。

また、ロゴの作成工程を知りたい方は以下の記事もオススメです。シンプルなロゴを作るだけでも様々な工程が必要な事がわかる良記事です。

ロゴの基礎知識 – logostock

また、パラリンピックエンブレムとの相互性についてもう少し詳しく書いた記事もアップしていますので良かったらこちらも是非ご覧ください。

やはり佐野研二郎は凄かった!五輪ロゴが盗用ではない明確な理由を簡潔に解説

ドビ氏は佐野氏を提訴するも盗用の根拠は無し

また、ドビ氏はこんなGIFアニメを作ったようです。モーフィングさせて「ね、似てるでしょ?」と一般人に印象付けようとしています。

しかし、これは逆効果でしょう。
なぜなら、見た目が似ていることは誰もが知っているからです。
見た目が似ているだけには盗用にはなりません。偶然の一致である可能性があるからです。

つまり、盗用であることを証明するには、『見た目以外』の部分で盗用である証拠を提示しなければならないんです。こういった動画で見た目が似てることしか主張できないということは、それ以外に盗用である根拠が無いということです。

おそらくドビ氏は想像以上にメディアが騒ぎ出してしまったので、引くに引けない状態になってしまったのだと思います。

潔白でも対応次第では首を絞めることになってしまう

また、偶然の一致であってもIOC(国際オリンピック委員会)が「問題は無い」と言ってしまうのは問題です。法的に問題無くても、多くの人がパクリだと認識しているものを採用すれば「日本は不誠実な国だ」と思われかねません。

ここは素直に意図的なパクリでないことは主張しつつ、元デザインの制作者に配慮し作り直すべきでしょう。コンセプトやプロセスが違うとはいえ見た目は近いものがありますからね。

ちなみに、Facebook、Twitterは騒動以前の5月に廃止されていて、メディアでネタにされるこちらのアカウントは佐野氏のは無関係とのことです。これを「苦し紛れの嘘だ」と言う人がいますがどうでしょうか?佐野氏はデザイン業界では有名人ですから、クライアントは佐野氏のFacebookやTwitterのアカウントを把握しているはずであり、嘘を付けばバレるわけですからそのようなリスクは冒さないはずです(ただ、この件に関しては諸説あり)。

何故か起こるネトウヨによる在日認定

ネトウヨたちの間では日本で不祥事が起きれば「在日韓国・朝鮮人の仕業に決まっている」という妄言が定番になってしまっているのですが、今回も例外ではありませんでした。

ネトウヨたちが利用している差別サイト『保守速報』には佐野氏への露骨なヘイトスピーチと在日認定行為のオンパレード。

【画像】東京五輪エンブレムパクリ疑惑のデザイナー佐野研二郎さんのサイト『mr-design.jp』のネームサーバーが「zyappu(ジャップ)」だと判明

同じくニコニコ動画でも同様の有様。以前からニコ動にはヘイト動画が蔓延していますよね。一体何が「ニコニコ」なんでしょうか・・・。先ほども言ったように佐野氏のデザインはシンプルが売りですから似てしまうのは避けられません。動画に出てくるリボンも緑のハートもシンプルにまとめればああなりますよ。

動画でもパクリとされている豚鼻マグカップですが、これは佐野氏が先ですね。この作品は2004年にグッドデザイン賞を取っていますが、海外デザイナーの物は検索しても2006年より前の情報は出てきませんので2006年に発売されたものだと思われます。

在日認定の一番の理由は佐野氏が設立した会社MR_DESIGNが利用しているネームサーバー(ns.zyappu.com)にzyappu(ジャップ、jap)という日本人差別用語が含まれているからだそう。

でも、zyappuっていうのは昔あったデザイナー御用達の雑誌名で、ns.zyappu.comはそれに由来しています。ちなみにネットでお馴染み『カレーメシ』のプロデュースやSMAPのアルバムのアートワークなどを手がける超有名デザイナー佐藤可士和氏も同じサーバーを利用。つまり、ns.zyappu.comはデザイナーの間では割と有名なサーバーなんですよね。

そもそも、自分の会社のサーバーに差別用語を含めるわけが無いことは少し考えれば分かることなんですけどね。もし発覚すれば会社の存立は難しくなるわけで。ネトウヨ達は自分の会社のサーバーや看板に『チョン』とか『シナ』という文字を含めるんでしょうか?しませんよね?彼らのやってるのは『無茶苦茶な言いがかり』でしかないんです。

その他、写真・イラストの盗用騒動について

この騒動を発端に、佐野氏の過去の作品に更なる難癖をつけ始めたようです。

【衝撃】佐野研二郎のこれまでの作品を徹底調査したら大量にパクリが見つかった

色々と取り上げられていますが、そのほとんどは言いがかりです。有償の写真・イラスト素材はもちろん購入しているでしょうし、シンプルが個性の佐野氏のデザインが他に似てしまうのは避けられない問題です。

ただ、一つ問題があって、佐野氏デザインのサントリーのトートバッグには個人のブログから拝借したと思われる画像も含まれていることです。ブログ管理人の承諾を得ているかも知れませんし、逆に仮で入れておいた画像をうっかりそのままにして製品化されてしまったということも考えられます(これはアウト)。一部の画像は無許可である事が発覚しました。

デザインがパクリではなくても、画像の無許可使用(仮に著作者が容認したとしても)はコンプライアンス的には責任が問われてもおかしくない問題です。

また、佐野氏の妻が「確かにトートバッグのデザインを監修したのは佐野です。しかし、細かい実務を担っていたのは何人かの”部下”です」と証言していますが、佐野氏が責任者として責任を追及されるのは避けられないでしょう。

トートバッグは佐野研二郎デザインではなかった!この騒動はデザイン業界の待遇の悪さが招いたかも知れない

スタッフが盗用すれば佐野氏も盗用する?

ネットでは「スタッフが盗用したんだから佐野も盗用したに違いない!」という論調が強いですが、本当にそうでしょうか?

佐野氏とスタッフの関係は『監督する側』と『監督される側』なんですよね。これは教師と生徒の関係と同じです。

  • 生徒が暴行事件を起こしたら、教師も暴行事件を起こす?
  • 生徒が万引きしたら、教師も万引きする?
  • 生徒が授業をサボったら、教師も授業をサボる?

違いますよね?

つまり、スタッフが盗用しても佐野氏自身が「盗用した」、「盗用するに違いない」とレッテルを貼るのは間違いです。貼りたくなる気持ちは分かりますが適切だとは思えません。

もちろん佐野氏には監督責任があります。だから「責任を取って五輪ロゴを辞退すべき」という意見であれば正当な主張です。けど、そういった理由で五輪ロゴを盗用扱いするのは間違っています。五輪ロゴに関しては非常に論理的で疑いようの無い説明をしているわけですからね。

盗用が文化を発展させる事もある!?

Tribute to Hayao Miyazaki

こちらの動画はDonoという海外アニメーターが作った宮崎駿作品のファンムービー。非常にクオリティが高いです。

見れば分かりますが、佐野氏の部下がやったトートバック盗用問題以上のパクリをやってます。映像だけではなく音声も使ってますから単純に考えて佐野氏以上に問題があるわけです。しかし、バッシングされるどころかニュースサイトなどで取上げられ絶賛されているんですよね(分かり易過ぎる盗用は逆に問題視されない傾向にあるよう感じます。中国の盗用なんかも笑いのネタで済まされてしまいますからね)。

著作権違反とはいえ、こういったことがある程度黙認されることで創作意欲が沸き、クオリティの高い作品が生み出されることがあるもの事実なんですよね。

今回の騒動で固定観念や集団心理の危険性を再認識

ベルギー劇場のロゴは商標登録されていません。つまり類似しているか調べようにも調べようが無かったわけです。佐野氏の発言には正当性があります。また、ベルギーのデザイナーにも著作権がありますから彼の主張も正当性があります。つまり、どちらに非があるという問題ではないんですよね。お互いに不運だっただけです。

不運とはいえ、今後の対応が佐野氏のデザイナーとしての生命が大きく左右されるはずです。今からでも遅くないと思います。主張すべきは主張して、相手を配慮しロゴは一から制作しなおすべきではないでしょうか?もちろん、制作に多大なコストがかかったわけで、作り直すのにもコストが必要です。JOCやIOC、日本政府が資金援助すべきでしょうね。

また、今回の問題について、ネトウヨたちのしょうもない嫌がらせは不幸としか言いようがありませんが、パクリ疑惑後の対応(IOCやマスコミ含め)には問題があり、それが原因で事態がここまで深刻化したように思います。

特にマスコミですね。さきほども言ったように、この問題はどちらのデザイナーに非があるという問題ではないんですよね。しかし、マスコミの取り上げ方では善悪を決着させるような見せ方になってしまっているわけです。となればデザイナーに矛先が向くのは当然です。

それ以上に気になるのが日本人のモラル・リテラシーの無さですね。不確定な情報で相手を貶めたり、差別的な扱いを平気で出来る人がこれほど多くいることが日本の将来を不安にさせます。

今回の件で、人間の固定観念や集団心理がいかに危険なものかがはっきりしたと思います。

もし、佐野氏の過去の作品に問題があったとしても事実を捻じ曲げてはいけない

『写真素材の盗用問題』については佐野氏の信用を大きく落とす事になるでしょう。

しかし、今回の五輪ロゴの件とは切り離して考える必要があります。

過去の問題と五輪ロゴに結びつけて『盗用』だとしてしまうのは思考停止しかありません。感情的には「盗用ということにしたい」ぐらい腹が立つことかもしれません、でも、今回のデザインに関しては高い確率で盗用でないことは会見で明らかにされています(特にパラリンピックエンブレムとの共通性)。仮にリエージュ劇場のデザインを知っていても、それは盗用ではなく参考レベルです。似ているのは見た目だけであり、それ以外の要素は別物ですから盗用とは言いません。

これを盗用とすることは『濡れ衣』でしか無いんですよね。不正を叩くために自分が腐ってしまっては意味が無いと思いませんか?

まとめ

だいぶ長くなってしまったので要点をまとめます。私が言いたいことは以下の通り。

  • 会見での論理的な説明により五輪ロゴが高い確率で盗用ではないことは証明されている
  • 五輪ロゴが盗用でなくても騒ぐのは一般人。五輪開幕が近づくにつれ世界からのバッシングが高まるリスクがある為、デザインは再考したほうが良い。
  • トートバッグの盗用疑惑は完全に黒(例え部下がデザインしたとしても監督責任が問われる)。しかし、これを五輪ロゴを盗用とする理由にしてはならない
  • 根拠の無い在日(韓国人)認定は、韓国人に対する差別行為。そして日本人の民度を下げる愚かな行為でしかない

騒動全体の傾向を見ると、憶測で物事を判断して断定してしまっている人が多いように感じます。憶測は憶測でしかないんですよね。それで人を批判すれば余計な騒動が生まれるだけです。批判をするなら事実に目を向けなければなりません。

一番問題なのが、佐野氏自身がエンブレムを盗用したという証拠が無いのに盗用だと言い回っていることなんですよね。盗用でないことが確定的になれば国を挙げての冤罪です。その場合、責任は誰がどう取るのでしょうか。確定してないのに人を犯罪者扱いすることは百害あって一利無しです。

追記:佐野氏デザイン五輪エンブレム使用停止に際して拭えない3つのモヤモヤ感

まず最初に、佐野氏の名誉の為に言っておきますが、エンブレム自体は盗用では無いことはデザインを理解している人であればこれは揺るぎません。この騒動にかこつけてエンブレム自体を盗用だというデマを流している人がいるのであえて言わせてもらいました。

・・・

五輪エンブレムのプレゼン資料にある『エンブレムの展開例』に使われている写真が無断利用だったことが決め手になったのか、佐野氏デザインのエンブレムの使用停止が確定的となりました。ただ、エンブレムに関しては盗用でない事は改めて強調しています。

著作権の『暗黙の了解』の難しさ。佐野研二郎氏プレゼン資料盗用問題を擁護しようと思う

また、佐野氏の家族や親族の写真や個人情報が晒され誹謗中傷されているのも事実で、「家族を守る為」に取り下げを決断したと佐野氏は話しています。

この記事でも社会的影響を考えてデザインを再考すべきだと書きましたが、結果的にはその通りにはなったもののモヤモヤが拭えませんね。

モヤモヤは3つあります。

1つ目は『発端』です。
元々はシンプルがゆえに『ただ似てしまった』だけでバッシングされ始めたわけなんですよね。その時点では盗用でもなんでも無かったわけです。当時、全くの無実だった人に対してこれだけの仕打ちをすることが日本人の民度の底を見てしまったようで残念でなりません。

2つ目は『結末』です。
これだけ騒いで盗用が発覚・確定したのはプレゼン資料に使われる『イメージ図』用の写真が無断利用だったこと、これ1つだけなんですよね。エンブレムが盗用で無いことは原案公開で確定的ですし、トートバッグの件はスタッフがやったことですから佐野氏にも責任はあるとはいえ直接的な罪ではありません。おおたBITOや東山動植物園のロゴも言いがかりレベルですからね。エンブレムの盗用疑惑から始まったものの最終的にはただの荒探しになってしまったのが残念です。プレゼン資料の盗用が発覚しなければホントただの嫌がらせですからね。

3つ目は『今後』です。
まず佐野氏についての今後についてですが、シロであるものまでクロと言われてしまっているのが現状なんですよね。それをどう対応していくかというのがまず1点。
次に新しいエンブレムの選考について。シンプルなデザインが再び採用されれば、また似てると騒ぎ立てる人が出てくるでしょうから、確実にデザインに制約ができてしまいます。そんな状況で良いデザインが生まれるのか?というのがもう1点。

追記2:応募者全員にテレビ番組でプレゼンする機会を与えれば良い

ロゴデザインは見た目だけではなく、込められた意味も含めてのデザインなんですよね。しかし、一般人はそういうことを知る機会がありませんから、どうしても審査員と一般人との評価に大きなギャップが生まれてしまうんですよね。シンプルなほど『手抜き』だと思われてしまう。佐野氏のデザインがそうであるように。

だから、応募者一人ひとりにテレビ番組でエンブレムのプレゼンをする機会与え、国民が選ぶような仕組みにすれば良いと思います。そうすれば佐野氏のようなシンプルなデザインであっても不利になる可能性は減りますし、多くの人が納得いく結果が得られます。

・・・

こちらの記事でも書いていますが、パラリンピックエンブレムとの画期的な共通性を考えると佐野氏デザインのエンブレムを超えるものはなかなか生まれないと思います。それくらい個人的には好きなエンブレムだったので、こういう幕引きは残念ですね。

また、原案との類似性を指摘されてるヤン・チヒョルト展のロゴとの問題を考察しました。良かったらご覧ください。

良かったら以下の記事もお時間があれば読んでみてください!

多摩美大ポスターの件も書きました。良かったらどうぞ。

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