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招致エンブレムを大会エンブレムとして使ってはいけないデザイン的な理由

      2015/11/05

先日、日テレ系テレビ番組「スッキリ」で「大会エンブレムはどのデザインが良い?」という旨の視聴者アンケートが行われたのですが、その選択肢は以下の4つ。

  1. 新しいデザインを使う
  2. 招致エンブレムを使う
  3. 1964年のエンブレムを使う
  4. 佐野氏デザインのエンブレムを使う

結果は、圧倒的多数で「2.招致エンブレムを使う」に投票する人が多かったのですが、組織委はIOCの規定により招致エンブレムを使うことは出来ないとしています。

ここまでは、色々なニュースサイトで取上げられているのですが、ある視点が欠けているんですよね。

それはデザインの意図です。

招致エンブレムはあくまで招致する目的で作られた物なんですよね。だから、大会用として使うのは相応しくないのです。

これだけは説明が不十分なので解説していきます。

招致エンブレムは招致に特化して作られた物だから評価が高い

syochi-emblem2

招致エンブレムはとても華やかで『おもてなし』が上手に表現されたデザインだと思います。

一目見て分かるように、このエンブレムは桜のリースがモチーフになっています。リースには『歓迎する』という意味があります。この意味から招致の為に作られたエンブレムであると分かります。

佐野氏のエンブレムは抽象的過ぎてデザインの意図が伝わらなかったから「ダサい」「オリンピックっぽくない」と酷評されました。それに対し、招致エンブレムは桜のリースを使い『日本 + おもてなし(歓迎)』を具体的な形で表現したからこそ意図か直感的に伝わり絶大な支持を得たわけなんですよね。

特定の目的に特化したデザインを他の用途に使えば『場違い』になる

IOCの規定は置いておき、招致エンブレムのデザインがもっと抽象的なものであれば、大会用として使っても不自然ではないかも知れませんが、招致に特化したデザインを大会用に使うのは違和感があります。

例えるなら、葬式に結婚式のコーディネートで行くようなものです。礼服(抽象的)自体は結婚式と葬式で兼用ですが、ネクタイ(特化)は結婚式は白や明るい色、葬式は黒でなければなりません。このルールを破って出席すれば「場違いな人だな」と思われてしまいます。

デザイナーのモチベーション維持にご協力を!

デザイナーは自己満足でデザインをしてはなりません。

無論、ほとんどのデザイナーは「誰を対象とするか?」「何を目的とするか?」などを意識してデザインをしています。

もちろん、佐野氏も同じです。『伝わらなければデザインじゃない』という本を出版予定(無期限延期)でしたからね。結果的に伝わらなかったのは佐野氏が反省すべき部分でしょう。

それと同時に、デザインに詳しくない人も『デザインには意図がある』ということを知っておいて欲しいです。見た目だけではなく、そういう見えない部分にもこだわって仕事をしているわけです(むしろ、そこが重要であり、それが見た目に繋がる)。

そのデザインが全く意図しない使われ方をすればデザイナーは「いやいやいや・・・そういう目的で作ったわけじゃないのに・・・」と自分を否定された気持ちになりガッカリしてしまいます。良いデザインを生み出す意欲も無くなってしまうでしょう。

おわりに

これだけ招致エンブレムが支持されてるなら、これをデザインしたデザイナーに大会エンブレムも作ってもらうのも良いかもしれませんね。

個人的にはこれまでの五輪エンブレムと全く異なったテイストの佐野氏デザインが好きだったんですけどね。パラリンピックエンブレムとの切り替えロジックとか「おおお!」ってなりましたし。色々と残念です。

何はともあれ一気に関心が高まった東京五輪2020。今はマイナスでの関心が強い状態ですが、これはある意味大きなチャンスでもあると思うので、うまいこと画策してプラスに転じさせていって欲しいですね。

 - 雑記