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イスラム国と旧日本軍(大日本帝国)の共通点

      2015/11/06

「テロに屈しない」からこそ日本は侵略戦争の罪の重さを受け止めなければならない。

イスラム国に後藤健二さんが殺害され多くの人がテロリストに対して怒りを覚えたことだろう。その感情は日本だけではなく韓国や中国でも見られる。後藤さんの死を悔やむコメントや、テロを絶対許さないコメントが多く見られる中、気になるコメントがあった。

「故人の冥福を祈る。そして日本も植民地時代にこれと同じことを韓国やアジアの国々にしてきたことを反省してほしい。それが世界平和を作る道だ」

「どんなに怒りを感じても平和憲法の改憲、自衛隊の国防軍昇格は絶対にダメ。今日本人が感じているその怒りを韓国は36年も感じてきた」

イスラム国、後藤健二さん殺害か・・映像公開に韓国ネットは様々な声

テロを非難すると同時に、日本の侵略戦争を批判するというものだ。まるで日本が戦時にアジア諸国でテロを起こしたかのような発言だ。

旧日本軍は英雄でありテロリストでもある

こういった韓国や中国の意見を聞くと脊髄反射的に「日本はアジアを欧米から解放した」「アジアの発展に貢献した」「国家の存続に必要な戦いだった」と侵略戦争を正当化する右翼・保守は多い。そして、彼らは旧日本軍を英雄扱いするわけだ。

旧日本軍の英雄視はあながち間違っていない。日本は敗戦したものの、その後、大きく発展したのは彼らがいたからなのだから。日本にとっては英雄なのである。しかし、韓国や中国にとっては旧日本軍は土地を奪い命を脅かしたテロリストなのだ。

つまり英雄とテロリストは表裏一体なのである。

「韓国や中国にとって旧日本軍がテロリストであっても、イスラム国と同一視するとは何様だ!」と思う人がほとんどのはずだ。自虐的な日本人であっても「あんな残虐なイスラム国と旧日本軍が同じわけが無い!」と無意識に思うことだろう。

しかし、イスラム国と旧日本軍(大日本帝国)とそこまで異なるのだろうか?

イスラム国と旧日本軍の共通点

イスラム国と旧日本軍の共通点をいくつか挙げてみよう。

侵略行為

旧日本軍は武力で住民を脅し植民地支配を進めてきた。同じ様にイスラム国も武力で住民を脅し支配領域を広げていっているわけだ。

イスラム国は今回の事件のようにパフォーマンス的なことをやって恐怖を植え付け更なる支配拡大を行う。旧日本軍による植民地支配でも同じ様なことがあっただろう。

旧日本軍による「虐殺は無かった」と言う人もいるが、殺す気が無い人に黙って支配される人がいるだろうか?支配には「従わざるを得ない恐怖」が必要なのである。武力で支配するとはそういうことなのだ。

英雄視されることも

旧日本軍はアジア諸国を侵略し支配してきたが必ずしも非難されたわけでは無い。台湾など一部では旧日本軍を英雄扱いしているケースもある。それは利を得ることになったからだ。

同じくイスラム国も欧米の横暴さに嫌気が差した人にとっては欧米に立ち向かう英雄なのである。それに、イスラム国の戦闘員になれば給与が発生するので、貧困に苦しむ人にとってはありがたい存在であるはずだ。

普通の人間である

旧日本軍は侵略行為を行い多くの人を殺害し世界中から非難されてきたわけだが、日本人は悪人でも異常者でもなく極々普通の人なのである。戦う必要があったから戦ったわけだ。

イスラム国も同じだ。我々には理解し難いが、彼らも彼らなりの正義の為に戦っている。思想的に我々と大きな違いがあるが異常者では無い。そして、イスラム国で戦闘に参加するのはごく一部であり、ほとんどは戦闘に参加しない一般市民なのである。

イスラム国には銀行や学校、結婚相談所、裁判所、パン屋までが存在する。つまり、日本のように子供が学校に行き学び、お腹が空けばパン屋でパンを買い、結婚し家庭を持つなどし、極々普通の生活をしているのである。我々と大きな違いがあるとは思えない。

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イスラム国戦闘員の休日(出典 www.jamejamonline.ir)

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テロは容認できない。しかし、安易な報復は避けるべきだ

いかなる理由があったとしてもテロは容認できない。人を殺害すれば自分が殺されても文句は言えない。行動には責任が伴うのだ。そもそもイスラム国の戦闘員は『自爆ベルト』を常時身に付けている。それだけ信念と覚悟と責任があるのだろう。皮肉にも日本の特攻隊に近いメンタリティを感じる。

テロは容認できない。それは当たり前のことだ。しかし、安易な報復は避けるべきだ。アメリカが行う空爆での無差別な殺戮など言語道断だ。先ほども言ったようにイスラム国の構成員の多くは戦闘に参加しない一般市民なのである。そこに住んでいるだけでありテロリストではないのだ。イスラム国だからといって無差別に殺戮を行えば、多くの民間人を標的にした『原子爆弾』による殺戮を正当化することになる。

今回のイスラム国日本人人質事件は、本当の意味で侵略戦争を被害者視点で考えるきっかけになったと思う。イスラム国が日本に攻め込んできて支配されることを想像すれば日本がアジア諸国にやったことの重大さが分かるだろう。

「韓国は侵略じゃない。併合だ」と突っ込む人もいるが、例えばイスラム国が日本と併合することになったらどう感じるか?利を得る人もいるだろうが、大半は武力支配する国との併合なんて生きた心地がしないだろう。

『テロを認めない』為にも、日本が諸外国にしてきた事を改めてよく考えるべきだ。侵略の歴史を正当化することなどあってはならない。

我々は今の日本の礎を築いた旧日本軍に感謝しなければならない。しかし、それと同時に諸外国を侵略し命と自由を奪った事実を真摯に受けとめるべきだ。

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