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安倍首相が自衛官の命を軽視か?南スーダンの「戦闘」を「衝突」に言い換えて危険地帯でのPKOを正当化

      2016/10/18

今年7月の事。自衛隊がPKO活動をしている南スーダンの首都シュバで大規模な戦闘があり、市民数百名が死亡し、中国のPKO隊員も死亡するなどの犠牲が出ました。

この時の「戦闘」をあえて「衝突」と言い換えた安倍首相や稲田防衛相を問題視しなければなりません。それには何らかの意図があるからです。

自衛官の命を軽視?危険地帯で自衛隊を活躍させたい安倍首相と稲田防衛相

安倍首相や稲田防衛相は「これは戦闘ではなく衝突だ」と発言しました。

二人の発言を引用します。

稲田防衛相:
「法的な意味における戦闘行為ではなく、衝突だ」「戦闘行為とは、国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷しまたはモノを破壊する行為だ。こういった意味における戦闘行為ではないと思う」

安倍首相:
武器をつかって殺傷、あるいはモノを破壊する行為はあった。大野さん(民進)の解釈として『戦闘』で捉えられるだろうと思うが、我々はいわば勢力と勢力がぶつかったという表現を使っている

安倍首相「戦闘行為ではなく衝突」 ジュバの大規模戦闘

要約すると、「日本の法定義上は戦闘行為には当たらないから”衝突”という言葉を用いている」と言っているわけです(国際的には「衝突」ではなく「戦闘」という認識です。過去のニュースを見ても「衝突」ではなく「戦闘」という言葉を用いているものが大半を占めます)。

つまり二人は国同士の武力衝突、つまり戦争以外は「戦闘」ではなく「衝突」だと言いたいのでしょう。

そうなると、イスラム国(IS)も戦闘ではなく衝突ということになります(イスラム国は国家ではありませんからね)。

さて、本題です。

「戦闘」を「衝突」に言い換える事が何が問題なのか?

「戦闘」を「衝突」と言い換えた安倍首相や稲田防衛相の何がそんなに問題なのかと言うと、本来PKO活動が禁止されている命を落としかねない危険地帯で活動することが可能になるからなんです。

自衛隊は戦闘地帯でのPKO活動は禁止されています。だから、今回のような事態が起これば自衛官の安全を考え撤退するという選択を取らなければならないのです。

しかし、安倍首相や稲田防衛相が「衝突」と言い換えたという事は、「命を落とす可能性があっても自衛隊にはスーダンで活動してもらおう」という意図が少なからずあったのだと考えられます。そうでなければ「衝突」と言い換える必要性がありませんからね。

そして、南スーダン以上に深刻なのがイスラム国です。

先ほども言ったように、安倍首相や稲田防衛相の考えではイスラム国も「戦闘」ではなく「衝突」ですから、自衛隊がイスラム国の支配地域でPKO活動をする可能性も否定できなくなるわけです。

安倍首相は安保法制施行前には「自衛官の安全が最優先」みたいな事を言っていたわけです。それで多くの国民は「それなら賛成かも」と言って半数の支持を得たわけです。

ところが、今回のようにあえて「衝突」と言い換え、危険地帯でのPKO活動を正当化する行為は「自衛官の生命を軽視」する行為だと思います。各国のPKO隊員が南スーダンから撤退していっている中、いまだに自衛隊がPKO活動を継続していることが何よりもの証拠です。

安倍首相の「南スーダンは永田町よりもはるかに危険」というふざけた発言

今回の発言があった後に安倍首相の口から驚くべき言葉が発せられました。

さらに安倍首相は「南スーダンは永田町よりもはるかに危険」などとふざけた発言をしましたが、これはまともに自衛官の事を考えてない事がハッキリと分かる発言です。

安倍首相の考え方に当てはめれば、銃社会アメリカも永田町より危険だし、親日台湾も永田町より危険なわけです。しかし、実際はアメリカも台湾も十分に安全な国です。つまり、同様に南スーダンも安全ということにして自衛隊のPKO活動を継続させたいのでしょう(もちろん現実の南スーダンは戦場のようなものです)。

こういった発言があったのは、「戦闘」を「衝突」と言い換えた事で「南スーダンの事態を軽視しているのではないか?」という印象を払拭する為だと思いますが、あまりに短絡的過ぎて完全に裏目に出ていますね。あまりにも言葉遊びが過ぎます。

どうでもいい野党の質問の答弁ならまだしも、自衛官の生命に関わる重要な事を茶化すような行為を許してはなりません。これを聞いた自衛官がどう思うかを安倍首相はよく考えるべきです。

こんなことをやる一方で、先日の自衛隊に対するスタンディングオベーション。自衛隊にエールを送る事で任務遂行に圧力をかけているわけです。「命を落としかねない過酷な任務」と国民に周知させた上でエールを送るなら分かりますが、安倍首相はこういった発言で「大した危険は無い任務」と印象付けた上でエールを送っているわけです。すると、世論は「大した危険は無いのだから自衛隊はもっとPKO活動すべき」という声が強まり、自衛隊はより過酷な任務を強いられる事になるかも知れないのです。

こんなふざけた事があってよいのでしょうか? これで犠牲のなる可能性があるのは他ならぬ自衛官なんですよね。こういうふざけた発言をする人間に自衛隊を動かす資格は無いと思います。

おわりに

わざわざ「戦闘」を「衝突」と言い換えたのは「戦闘地帯での自衛隊のPKO活動の継続の為」と考えるのが最も有力だと思います。「南スーダンは永田町よりもはるかに危険」発言も加味すれば、安倍首相や稲田防衛相が自衛官の安全を十分に考えているとは到底思えません。

何故、普通に「一般的これは戦闘行為であり、この状況下では自衛隊をPKO活動させるわけにはいかない」と安倍首相や稲田防衛相は言えなかったのでしょうか? その言葉一つで国民は納得するのです。それが出来ない2人が何を考えているのか理解できません。

必要以上に介入すれば自衛官だけではなく、国民にも被害が及ぶ可能性もあります。第一に考えるべきは自衛官を含めた日本国民の安全です。その判断を見誤らない事を願うばかりです。

 

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